医師の転職事情

医師の転職事情

医師という職業はやや特殊になります。基本的には大学医局に属している医師が多いと思いますが、大学医局に属している医師であればどこの病院に属していても大学医局の所属になります。大学医局に所属していれば、色々と医局の後ろ盾を得られるため、給与や労働環境に多少の不満があってもあまり大学医局を辞めようと思う医師は少ないはずです。

もし、医局を辞めた場合はどうなるのでしょう?医師自身で医療機関を探して直接契約を結ぶことになります。しかし、どうも最近この傾向は増えているようです。医師不足が深刻化する中で、医師求人案件はどんどん増えています。また、医師不足の解消目途が立たない中で、医師の偏在化も問題になりつつあります。深刻な医師不足の地域では破格の求人案件もあるほどです。

患者に説明する医師

10万人の人口に対し、何人の医師がいるかを計測した「人口10万対医師数」では、医師が多いのは1位が京都府(286.2人)、2位が東京都(285.4人)、3位が徳島県(283.0人)と、実は西日本の方が医師の充実度が高いということが分かるのです。東日本で医師が多いと言えるのは東京のみぐらいで、その周辺の関東都道府県はかなり深刻な医師不足状況を示しています。これにはやはり大学医学部の数などが大きく関係しているようです。西日本には大学医学部や医大の数が多いことも、この統計結果には影響しているのでしょう。医局に所属している医師が多い地域では一般求人は少なくなります。

つまり、医局を離れてみても、勤務地によっては求人があまりないなんてことも可能性として十分にあります。確かに医師不足の中で医師求人数は多いでしょうが、医局を離れて転職しようとしている医師は、労働市場を冷静に見つめ慎重に行動する必要があります。大体、その地域にどのぐらいの医師求人情報があるものかは、『DoctorVision』のような医師求人・転職サイトで希望エリアの医師求人数の様子については調べられますので、このようなサイトが今では医師の間で転職の際の定番になっているようです。